⚠️ この記事は2013年12月に書いた当時の記録です。
内容は執筆時点のものであり、制度の詳細・掛金上限額・税率などは現在と変更されている部分があります。「当時こう理解していた」という記録として残しています。
前の記事(企業型DCを始めようと思ったわけ)で確定拠出年金について勉強していく、と宣言しましたので、自分なりに理解した範囲でまとめてみます。間違いがある部分もあるかもしれませんが、ご了承ください。
確定拠出年金とは
確定給付型との違い
年金には大きく「確定給付型」と「確定拠出型」があります。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 確定給付型 | 加入実績・在職中の平均月収等に応じて給付額があらかじめ確定している年金 |
| 確定拠出型 | 毎月の掛金が確定しており、運用実績に応じて給付額が変わる年金 |
一般的な企業年金は確定給付型です。確定拠出年金は名前のとおり確定拠出型で、毎月かけられる掛け金の上限が決まっており、その掛け金を元に加入者が自分の判断で運用(指図)を行います。そのため、運用に成功すれば年金額が多くなりますが、失敗した場合は元本割れの可能性もあります。
企業型と個人型
確定拠出年金には企業型と個人型があります。
| 種類 | 対象者 |
|---|---|
| 企業型(DC) | 企業型を採用している会社に勤めている場合 |
| 個人型(iDeCo) | 企業型を採用していない企業に勤める方・個人事業主など |
企業型と個人型の両方に加入すること、個人型を複数加入することはできません(当時の理解)。
ポータビリティ
転職する際、従来の退職金制度や年金制度ではお金を受け取れずにあきらめるケースもありました。確定拠出年金では拠出した段階でその拠出金は各個人のお金となるため、転職時にそのまま転職先の企業型DCまたは個人型(iDeCo)へ移管できます。ただし、原則として60歳までは解約できない点には注意が必要です。
メリット
税制面での優遇(最大のメリット)
確定拠出年金に加入する一番大きなメリットはなんといっても税制面の優遇です。拠出・運用・受給の3段階すべてで優遇措置を受けられます。
拠出時の優遇
掛け金の拠出時、個人の所得とはみなされません。
退職金の前払いとして受け取ると給与所得になり所得税等がかかりますが、確定拠出年金として拠出した場合は給与所得にならず、その分の税金を控除できます。個人型(iDeCo)でも同様に拠出分は全額所得控除の対象となります。
節税額の目安(2013年当時)
当時、企業年金制度と併用の企業型DCでは毎月の掛金上限が25,000円でした。年間306,000円拠出した場合の節税額の目安は以下の通りです。
| 課税所得額 | 税率 | 年間節税額(目安) |
|---|---|---|
| 195〜330万円 | 10% | 約30,600円 |
| 330〜695万円 | 20% | 約61,200円 |
| 695〜900万円 | 23% | 約70,380円 |
さらに、独自で運用する場合と比べると、税金分も含めて利益を出す必要があるため、その分ハイリスクな運用が必要になります。確定拠出年金で運用することで、節税効果分だけ有利にスタートできると理解しました。
運用時の優遇
確定拠出年金で運用中に得られた利益(キャピタルゲイン)は非課税です。
通常の運用では配当や分配金の再投資時に税金が引かれますが、確定拠出年金では運用益の全額を再投資できます。再投資に回せる金額が増えることで、複利効果がより大きく働きます。
受給時の優遇
給付の際の税制優遇も充実しています。
| 受取方法 | 適用される控除 |
|---|---|
| 一時金(まとめて受け取る) | 退職所得控除 |
| 年金(定期的に受け取る) | 公的年金等控除 |
両方を組み合わせて受け取ることもできるようです。
退職所得控除の計算式(当時):
勤続年数20年以下:40万円 × 勤続年数
勤続年数20年以上:800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年)
例:勤続30年の場合 → 800 + 70 × 10 = 1,500万円が控除額
デメリット
① 運用リスクがある
リスクのない元本保証型の運用商品もありますが、ほとんどの商品は元本割れのリスクがあります。
当時(2013年)はリーマンショックや東日本大震災の記憶も新しく、「アベノミクスと言われても未来はわからない」というのが正直な気持ちでした。従って、リスクをどのように分散するかをセットで考える必要があります。
元本保証型でも税制優遇のメリットから通常の定期預金より有利ですが、インフレ局面では実質的な価値が下がるリスクもあります。
また、確定給付型から確定拠出型に移行する企業が増えてきた背景を考えると、元の退職金・企業年金と同程度を目指すにはリスクを取るしかないとも感じていました。
② 途中解約ができない
確定拠出年金は拠出したお金を原則60歳まで受け取れません。転職時に転職先が確定拠出年金に対応していない場合は個人型への切り替えが必要になります。
この「流動性がない」という点はデメリットですが、私自身のようなお金にルーズな人間にはむしろメリットになると気づきました(笑)。
確定拠出年金に加入しなかった数年間、「解約できないリスクがある」「途中で使えない」という理由で見送ってきましたが、じゃあその間にお金が貯まったかといえば「いいえ、全然w」という状態でした…。
③ 転職時に資格を失う可能性がある
当時、私が最も大きいと感じたデメリットがこれでした。
確定拠出年金に加入している状態で転職し、かつ転職先の企業が確定拠出年金未採用かつ企業年金(厚生年金基金)がある場合、個人型への移行もできないまま「運用指図のみ行う」という状態が起こりえます。
この場合、拠出金額が少なければ口座管理手数料等の各種手数料を賄えず、毎年手数料分だけお金が減っていくという事態が起こりえます。転職の可能性がある人は特に注意が必要です。
④ 特別法人税の今後が不透明(2013年当時)
退職年金等積立金に対する特別法人税(税率1.173%)は、2013年当時は凍結されていて実際には課税されていない状態でした。
ただし「廃止」ではなく「凍結」であることは注意が必要です。もし凍結解除された場合、積立金残高に対して毎年1.173%の税金がかかることになります。
個人的な見立てとしては、1999年から凍結が始まってすでに10年以上経っていることから、凍結解除の可能性は低いと考えていました。
まとめ(2013年当時の感想)
こうして整理してみると、デメリットのインパクトの方がメリットより大きく感じられる部分もありました。思えば当時の私が加入を見送っていた理由のひとつは「会社にどれくらいいるかわからない」という不安もあったと思います。
それでも加入を決めたのは、前の記事にも書いたとおり、結婚・出産・住宅購入を経て「このままでいいのか」と真剣に考え始め、全然お金が貯まっていないという現実に気づいたからです。
デメリットを理解した上で加入することが大切だと思います。参考になれば幸いです。
📝 後日談
この記事を書いた2013年から約12年が経ちます。実際に加入してどんな運用商品を選んだか、途中で方針をどう変えたか、12年後の評価額はどうなっているか——それらは別の記事でまとめていく予定です。



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