こんにちは、れもん丸です。
金融庁が2025年11月、都道府県別のNISA口座開設状況を初めて公表しました。これまで「貯蓄から投資へ」の流れは語られてきましたが、それが地域ごとにどれだけ差があるのかは、ハッキリとは見えていませんでした。
今回は、この金融庁データ(2025年6月末時点)を、総務省の人口推計と突き合わせて、18歳以上人口に対する口座開設率を都道府県別に計算してみました。記事の後半には、あなたの県の順位を自分で確認できる操作グラフも用意しています。
📌 この記事でわかること
- NISA口座開設率は全国平均24.7%。1位東京と最下位青森では2倍以上の差がある
- 開設率が高いのは三大都市圏とその周辺、低いのは北海道・東北・南九州に集中
- 年代別では30代が35.3%で最高、若年層と高齢層で開設率が大きく下がる
- 政府目標「3400万口座」は開設率約32%に相当し、現状その水準は東京都のみ
- 自分の県の順位・年代別の傾向を調べられるインタラクティブグラフ付き
目次
- そもそも何のデータ?金融庁が初公表した内容
- 開設率ランキング:1位東京・最下位青森、差は2倍超
- 口座数(実数)で見ると景色が変わる
- 年代別に見るNISA:30代がピーク、若年層と高齢層で低下
- 都道府県別 NISA口座開設率(インタラクティブグラフ)
- 政府目標「3400万口座」との距離
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:地域差は「伸びしろ」でもある
1. そもそも何のデータ?金融庁が初公表した内容
金融庁は2025年11月13日、都道府県別のNISA口座開設状況を初めて公表しました。基準日は2025年6月末で、NISA口座保有者の住所情報をもとに都道府県別の口座数を集計したものです。年齢層別(10代〜80代以上)の内訳も含まれています。
この記事では、口座数をそのまま見るだけでなく、人口に対してどれくらいの割合がNISA口座を持っているか(開設率)を計算しました。分母には総務省「人口推計(2024年10月1日現在)」を使い、NISAの対象年齢である18歳以上に合わせています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| データ元 | 金融庁「NISA口座の都道府県別利用状況調査」 |
| 基準日 | 2025年6月末 |
| 集計口座数 | 約2,633万口座(全国総数の97.7%をカバー) |
| 分母 | 総務省・人口推計の18歳以上人口(2024年10月1日) |
| 開設率の定義 | 都道府県別口座数 ÷ 18歳以上人口 |
一部の金融機関が基準日時点の都道府県別口座数を集計できなかったため、都道府県別の合計は全国総数(約2,696万口座)とは一致しません。ただしカバー率は97.7%で、地域の実態を把握するには十分な精度です。
2. 開設率ランキング:1位東京・最下位青森、差は2倍超
まず、18歳以上人口に対する開設率の上位・下位を見てみましょう。
| 順位 | 都道府県 | 開設率 |
|---|---|---|
| 1 | 東京 | 31.9% |
| 2 | 神奈川 | 29.4% |
| 3 | 奈良 | 28.2% |
| 4 | 兵庫 | 27.5% |
| 5 | 滋賀 | 26.6% |
| … | … | … |
| 43 | 福島 | 17.8% |
| 44 | 秋田 | 17.3% |
| 45 | 北海道 | 16.8% |
| 46 | 岩手 | 15.8% |
| 47 | 青森 | 15.0% |
全国平均は24.7%。トップの東京(31.9%)と最下位の青森(15.0%)では、約17ポイント、率にして2倍以上の開きがあります。
開設率が25%を超えたのは14都府県で、その多くが三大都市圏(東京・大阪・名古屋圏)とその周辺に集中しています。一方、20%を下回った11道県の多くが北海道・東北、および南九州・沖縄に位置しており、地理的な偏りがハッキリと出ています。
この差の背景には、所得水準、金融情報に触れる機会の多さ、地域の金融機関の営業体制、住民の金融リテラシーなど、複数の要因が複合的に絡んでいると考えられます。
3. 口座数(実数)で見ると景色が変わる
開設「率」ではなく、口座「数」の実数で見ると、ランキングは大きく変わります。
| 順位 | 都道府県 | 口座数 |
|---|---|---|
| 1 | 東京 | 約393.6万 |
| 2 | 神奈川 | 約234.3万 |
| 3 | 大阪 | 約199.0万 |
| 4 | 愛知 | 約163.5万 |
| 5 | 埼玉 | 約156.4万 |
当然ながら、人口の多い都市部が上位を占めます。東京だけで約394万口座と突出しています。
ここで大事なのは、「率」と「数」は別の物差しだということです。率が高い県は普及が進んでいる県、数が多い県は市場としての規模が大きい県。たとえば奈良県は率では3位ですが、口座数では多くありません。逆に、率が平均的でも人口が多い県は、口座数のボリュームでは上位に来ます。
4. 年代別に見るNISA:30代がピーク、若年層と高齢層で低下
全国の年代別開設率を見ると、きれいな山型になります。
| 年代 | 開設率(全国) |
|---|---|
| 10代 | 7.0% |
| 20代 | 24.2% |
| 30代 | 35.3%(ピーク) |
| 40代 | 30.9% |
| 50代 | 27.9% |
| 60代 | 25.8% |
| 70代 | 17.9% |
| 80代以上 | 12.0% |
ピークは30代(35.3%)。結婚・出産・住宅購入といったライフイベントが重なり、お金や将来について真剣に考え始める世代が、資産形成の中核になっていることがうかがえます。
一方で、10代(7.0%)や20代(24.2%)の若年層、70代以降の高齢層では開設率が下がります。若年層は「これから」の層であり、ここをどう取り込むかが普及拡大のカギになりそうです。
地域差もこの年代構造に表れます。たとえば東京は30代が44.0%・40代が39.8%と資産形成世代が際立って高い一方、青森は30代でも23.9%にとどまります。
5. 都道府県別 NISA口座開設率(インタラクティブグラフ)
都道府県別 NISA口座開設率(2025年6月末)
口座数 ÷ 18歳以上人口。全国平均は 24.7%。赤い縦線が全国平均ラインです。
出典:金融庁「NISA口座の都道府県別利用状況調査(2025年6月末時点)」、総務省「人口推計(2024年10月1日現在)」。18歳以上人口は「15〜19歳人口×2/5+20歳以上人口」で算出。都道府県別口座数は全国総数の97.7%をカバー(全国総数とは一致しません)。
自分の県の数字を見て「思ったより高い/低い」と感じた方も多いのではないでしょうか。大事なのは順位そのものより、自分がその一人になっているかです。
6. 政府目標「3400万口座」との距離
政府は2022年、2027年末までにNISAの総口座数を3400万口座に拡大する目標を掲げました。2025年6月末時点の口座数は約2,696万口座で、達成率は8割弱です。
この3400万口座という目標は、開設率に換算すると約32%に相当します。そして現時点でこの水準に達しているのは、東京都(31.9%)ただ一つです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 政府目標 | 3400万口座(2027年末) |
| 2025年6月末の口座数 | 約2,696万口座 |
| 目標を開設率換算すると | 約32% |
| 32%に達している都道府県 | 東京都のみ |
つまり政府目標の達成とは、現在の東京レベルの普及を全国へ広げることに他なりません。残り約2年で700万口座超の純増が必要で、これまで以上のペースが求められます。普及が遅れている地域の底上げが、全体の達成を左右することになります。
7. よくある質問(FAQ)
Q. 開設率はどうやって計算したのですか?
金融庁公表の都道府県別NISA口座数を、総務省「人口推計(2024年10月1日現在)」の18歳以上人口で割って算出しました。NISAは18歳以上が対象のため、分母は「15〜19歳人口の5分の2+20歳以上人口」としています。この方法による全国平均・主要県の数値は、野村総合研究所(NRI)の公表値と一致しています。
Q. 口座数の合計が、よく聞く全国の口座数と違うのはなぜですか?
一部の金融機関が基準日時点での都道府県別の内訳を集計できなかったためです。都道府県別の合計は全国総数の97.7%をカバーしており、地域比較には十分な精度ですが、全国総数とは完全には一致しません。
Q. 開設率が低い県に住んでいると、不利なのですか?
いいえ。開設率はあくまで「その地域で口座を持っている人の割合」であり、個人の資産形成の有利・不利とは関係ありません。むしろ、周りがまだ始めていない地域こそ、早く始めることで時間を味方につけられるとも言えます。
Q. 口座を「持っている」とは、実際に投資している人の割合ですか?
口座開設率は「NISA口座を開設した人」の割合で、必ずしも全員が活発に投資しているとは限りません。口座だけ作って使っていないケースもあるため、実際の投資実行率はこれより低い可能性があります。
8. まとめ:地域差は「伸びしろ」でもある
今回のデータを整理すると、次のようになります。
| 観点 | ポイント |
|---|---|
| 全国平均 | 18歳以上の開設率は24.7% |
| 地域差 | 1位東京31.9%・最下位青森15.0%で2倍超 |
| 地理的傾向 | 高い=三大都市圏/低い=北海道・東北・南九州 |
| 年代 | 30代がピーク(35.3%)、若年層と高齢層は低い |
| 政府目標 | 3400万口座=開設率約32%、達成は東京のみ |
地域差が大きいということは、裏を返せば多くの地域に伸びしろが残っているということでもあります。「貯蓄から投資へ」はまだ全国一様には進んでおらず、これからが本番とも言えます。
そして、ランキングの順位以上に大切なのは、自分自身がその一人になっているかです。住んでいる地域が何位であっても、少額から積立を始めることは誰にでもできます。周りの数字に一喜一憂するより、自分のペースで一歩を踏み出すことが、結局いちばんの近道です。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
参考資料
- NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年6月末時点)/都道府県別の口座開設状況を含む — 金融庁
- 人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在) — 総務省統計局
- 初めて明らかになったNISA普及の地域別実態 -政府目標達成への示唆- — 野村総合研究所
⚠️ 本記事は公的統計に基づく一般的な情報提供を目的としています。特定の金融商品の購入を推奨するものではなく、投資の判断はご自身の責任でお願いします。NISA制度の詳細は金融庁の公式情報をご確認ください。


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