こんにちは、れもん丸です。
「社会人になったら保険くらい入っておくのが常識」 「保険に入らないなんて、大人として無責任だ」
こんな価値観、いまだに根強くありませんか?
最初に言っておきたいのは、保険そのものを否定する記事ではないということです。本当に必要な保険は確かに存在します。
問題は、「保険は大人のマナー」という言葉を鵜呑みにして、必要かどうかを考えずに次々と保険に入ってしまうことです。今回は、その「常識」がどこから来たのか、そして現代において本当に必要な保険・不要な保険を仕分けしていきます。
📌 この記事でわかること
- 「保険は大人のマナー」はバブル期のお宝保険(予定利率5.5%)時代の名残という事実
- 現在の予定利率は約0.25〜0.75%——バブル期の10分の1以下に低下
- 高額療養費制度により医療費の自己負担には月額上限(約8.7万円)がある
- 生活防衛資金100万円程度あれば多くのケースに対応できる理由
- 必要・検討・不要を一目で判断できる保険の仕分け表
目次
- 「保険は大人のマナー」が成立していた背景
- 現代の貯蓄型保険は「別物」
- 保険の大原則:「人生が傾く損失」にだけ使う
- 必要な保険・不要な保険の仕分け表
- 「保障」と「貯蓄」は分けて考える
- 注意:今持っている「お宝保険」は解約しないで
- まとめ:「マナー」ではなく「合理性」で保険を選ぶ
- FAQ / よくある質問
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1. 「保険は大人のマナー」が成立していた背景
実は、「保険に入るのが大人の常識」という価値観には、かつて合理的な理由がありました。
1985〜1990年頃にかけて、予定利率が5.5%ほどの保険商品が販売されていました。1995年頃には3.75%まで低下し、その後は断続的に下がって現在に至ります。
予定利率5.5%とは、保険会社が「これだけの利回りで運用します」と約束する数字です。予定利率が3.75%以上のものは一般的に「お宝保険」と呼ばれ、払い込んだ保険料より増えるのが当たり前で、保険期間によっては2倍近く増えるものもありました。
つまり当時は、保険に入ること=お金を増やすことが成立していたのです。保障を得ながら資産も増える。これなら「保険に入るのが当たり前」という常識が定着したのも納得です。
2. 現代の貯蓄型保険は「別物」
ところが、現代の貯蓄型保険はまったくの別物です。
予定利率は10分の1以下に
2023年11月時点で、一般的な死亡保険や個人年金保険における予定利率は0.25%ほどです。
| 時期 | 予定利率の目安 |
|---|---|
| 1985〜1993年(バブル期) | 約5.5% |
| 1995年頃 | 約3.75% |
| 現在 | 約0.25〜0.75% |
バブル期と比べて、予定利率は10分の1以下に下がっています。
現代の貯蓄型保険の中身
現在の貯蓄型保険は、低利回りの運用商品+薄い保障+高い手数料という組み合わせになっているケースが多くあります。
実際、予定利率5%時代に加入した養老保険ですら、30年積み立てて返戻率101.01%、実質利回りは0.069%だったという例もあります。予定利率が高い時代でもこの程度ということで、現在の低利率の保険では、さらに資産形成効果は期待できません。
同じお金をインデックス投資(年率5%想定)に回したほうが、長期的な資産形成では圧倒的に有利になるケースが大半です。
3. 保険の大原則:「人生が傾く損失」にだけ使う
ここで、保険の本質的な役割を確認しましょう。
保険は「万が一起きたときに、人生が立ち行かなくなるレベルの損失」に備えるためのもの。
逆に言えば、自分の貯金で対応できる程度の損失には、保険は不要です。保険会社の取り分(手数料)を払う分、長期的には損をするからです。
公的保険でカバーできる範囲を知る
日本は世界的に見ても公的保障が手厚い国です。まずこれを理解することが保険を考える出発点です。
| 公的保障 | 内容 |
|---|---|
| 高額療養費制度 | 医療費の自己負担に月額上限(年収約370〜770万円で約8.7万円/月) |
| 傷病手当金 | 病気・ケガで働けないとき、給料の約2/3を最長1年半支給(会社員) |
| 遺族年金 | 一家の働き手が亡くなったとき遺族に支給 |
| 障害年金 | 障害状態になったとき支給 |
特に重要なのが高額療養費制度です。大きな病気をしても自己負担額には月額の上限があるため、貯金で十分に対応できるケースが多いのです。100万円程度の生活防衛資金があれば、多くのケースに対応できます。
4. 必要な保険・不要な保険の仕分け表
ここが本記事の核心です。保険を「必要」「検討」「不要寄り」に仕分けしてみましょう。
| 保険の種類 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 自動車保険(対人・対物) | ○ 必須 | 賠償額が億単位になりうる=人生が傾く損失。無制限にすべき |
| 火災保険 | ○ 必須 | 家の全焼・水災は自力で再建できないレベルの損失 |
| 就業不能保険 | △ 検討の価値あり | 家族を養っている人は、長期間働けないリスクに備える価値あり |
| 死亡保険(掛け捨て) | △ 状況次第 | 子どもがいる家庭は必要。独身なら基本不要 |
| 民間の医療保険 | △ 不要寄り | 高額療養費制度で対応できるケースが多い |
| 貯蓄型保険(終身・養老・個人年金) | △ 不要寄り | インデックス投資+掛け捨て保険に分離した方が有利 |
| がん保険 | △ 状況次第 | 貯金が少ない人は検討。十分な貯金があれば優先度低 |
必須の保険:賠償・損害系
自動車保険(対人・対物) は、事故で相手を死亡させたり後遺障害を負わせた場合、賠償額が数千万〜数億円に達します。これは自力では到底払えない「人生が傾く損失」なので、対人・対物は必ず無制限に設定しましょう。
火災保険 も、家が全焼したり水災で住めなくなった場合、再建費用は数千万円規模になります。これも自力では対応できない損失なので必須です。
検討の価値あり:就業不能保険
家族を養っている人にとって、「長期間働けなくなる」リスクは深刻です。傷病手当金(最長1年半)が切れた後の収入を補うため、就業不能保険は検討の価値があります。独身・貯金が潤沢な人は優先度が下がります。
不要寄り:医療保険・貯蓄型保険
民間の医療保険は、高額療養費制度があるため、貯金で対応できるケースが大半です。貯蓄型保険は、「保障」と「貯蓄」を分離し、保障は掛け捨て保険・貯蓄はインデックス投資にしたほうが、長期的に有利になることが多いです。
5. 「保障」と「貯蓄」は分けて考える
現代の保険選びの鉄則は、「保障」と「貯蓄」を一体にしないことです。
| 目的 | 最適な手段 |
|---|---|
| 保障(万が一の備え) | 掛け捨ての保険(月数百円〜数千円で大きな保障) |
| 貯蓄・資産形成 | 新NISAでのインデックス投資 |
貯蓄型保険は、この2つを一体にしているために手数料が高く、運用効率も悪くなります。分離すれば、保障は安く確保しつつ、資産はより効率的に増やせます。
6. 注意:今持っている「お宝保険」は解約しないで
ひとつ重要な注意点です。もし、あなたやご家族がバブル期(1996年3月以前)に加入した貯蓄型保険を持っているなら、それは「お宝保険」かもしれません。
予定利率が2〜3%以上あれば「お宝保険」と言えます。お宝保険は、現在販売されている貯蓄型保険よりも返戻率が高い傾向にあります。今からでは決して加入できないお宝保険ですから、見直し・解約には慎重になってください。
保険証券を確認し、契約日と予定利率をチェックしましょう。予定利率が3%以上なら、解約せずに維持するのが基本です。本記事で「貯蓄型保険は不要寄り」と言っているのは、あくまで現在販売されている低利率の商品の話です。
7. まとめ:「マナー」ではなく「合理性」で保険を選ぶ
| 観点 | ポイント |
|---|---|
| 昔の常識の背景 | バブル期は予定利率5.5%。保険で増やせた時代 |
| 現代の貯蓄型保険 | 予定利率0.25〜0.75%。資産形成には不向き |
| 保険の原則 | 「人生が傾く損失」だけに使う |
| 必須の保険 | 自動車保険(無制限)・火災保険 |
| 検討の保険 | 就業不能保険(家族を養う人) |
| 不要寄りの保険 | 過剰な医療保険・現代の貯蓄型保険 |
| 鉄則 | 保障と貯蓄は分離する |
| 注意 | お宝保険(予定利率3%超)は解約しない |
「保険は大人のマナー」という言葉は、保険で資産が増えた時代の名残です。現代では、その常識をそのまま信じると、不要な保険料を払い続けることになりかねません。
保険は「マナー」や「常識」で入るものではなく、「自分の人生が傾くリスクは何か」を考えて、合理的に選ぶものです。まず公的保障を理解し、生活防衛資金を確保し、本当に必要な保険だけに絞る。これが現代の賢い保険との付き合い方です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。保険の加入・見直しは個人の状況によって最適解が異なります。具体的な判断は独立系FP等の専門家にご相談ください。
FAQ / よくある質問
Q. 医療保険は本当にいらないのですか?
多くの人にとって優先度は低めです。高額療養費制度により医療費の自己負担には月額上限(年収約370〜770万円で約8.7万円)があり、100万円程度の生活防衛資金があれば大半のケースに対応できます。ただし貯金が少ない人や、上限を超える差額ベッド代・先進医療が心配な人は、掛け捨ての安価な医療保険を検討する余地はあります。
Q. 貯蓄型保険は今すぐ解約すべきですか?
一律には言えません。バブル期(予定利率3%以上)の「お宝保険」なら、解約せず維持するのが基本です。一方、近年加入した低利率の貯蓄型保険は、保障を掛け捨てに、貯蓄を新NISAに分離したほうが有利なことが多いです。まず保険証券で契約日と予定利率を確認しましょう。
Q. 独身でも入っておくべき保険はありますか?
車に乗るなら自動車保険(対人・対物は無制限)、賃貸・持ち家なら火災保険は必須です。逆に、扶養する家族がいない独身の場合、死亡保険の優先度は低くなります。「自分が困ったとき誰が経済的に困るか」を基準に考えると絞りやすくなります。
Q. 「保障」と「貯蓄」を分けるメリットは?
保障は掛け捨てなら月数百円〜数千円で大きな備えを確保でき、貯蓄は新NISAで低コストに運用できます。両者を一体にした貯蓄型保険は手数料が高く運用効率が落ちるため、分離したほうが「安い保障」と「効率的な資産形成」を同時に実現しやすくなります。



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